【スタッフのつぶやき】中学受験における単位換算~体積~
2025年度の入試まで残り二か月弱となりました。小学6年生の生徒さんは苦手な単元を一つでも多く消化し、理解しようと頑張っている時期だと思います。
しかし、この時期でも「単位換算の公式を覚えていない、忘れてしまった」と言う生徒さんは毎年多くいらっしゃいます。
そういう生徒さんに私はいつも「単位換算はそんなに頑張って覚えなくていい」と伝えております。長さはともかく、大きさを実感しにくい面積、体積は丸暗記になりがちです。体感、理解できないものを丸暗記することはどんな分野でも難しいものです。
今回は体積のみにしぼって、「あまり覚えなくても解ける」単位換算の解き方をお教えします。
体積の問題が複雑になる原因は、長さを元にした体積(立方メートルや立方センチメートル)と、L(リットル)系の体積の関係です。
「1 L = 10 dL = 1000 mL」この換算は覚えてるけど、1立方メートルが何Lかは分からない、想像がつかないという人が多いのではないでしょうか。
なのでまず初めに、最低限これだけは覚えておいてください。
つまり、1cm×1cm×1cmの立方体に入っている水は1mLということです…これはまだ「あぁ、そんなもんかもな」と実感できるかと思います。
この式が長さを元にした体積(立方メートルや立方センチメートル)と、L(リットル)系の体積とを橋渡しする役割を担います。体積の換算をする上で一番大事な式なので、しっかり覚えておいてください。
ではこれをふまえて、以下の問題を解いてみましょう。
まず、答えの単位から「全ての数値をL(リットル)にそろえる必要がある」と分かりますね。
順に揃えていきたいのですが、最初の2m^3(立方メートル)が一番難しいです。まず立方メートルをリットルに変換するために、1立方メートルの大きさを考えましょう。
1立方メートルというと、上のような立体の体積ですね。全ての辺の長さが1mの立方体です。
早くリットルへ換算したいですが、初めに覚えて欲しいと書いたこの公式
これを橋渡しにして考えなければなりません。そのため、まず立方メートルを立方センチメートルへ変換しましょう。上の図の辺1mを全てcmに変えてしまいます。
すると、cmを使って体積を求めることができます。100×100×100で、1000000ですね。これを式にしてみます。
ここまで出来たら、リットルを目指していきましょう。立方センチメートルはそのままミリリットルに変換できます。
できましたね。ミリリットルからリットルへの変換は簡単ですね。1000で割るので、0を3つ消したらOKです。
これで、立方メートルとリットルの関係が分かりました。2m^3(立方メートル)は、2000Lに変換できました。
では次に行きましょう。真ん中の、5000cm^3(立方センチメートル)ですね。これはそのままミリリットルに変換できるので簡単です。
できました。ではそのままリットルに変えてしまいましょう。
5Lですね。
最後の300dLは30Lに直してあげて、最初の式を書き直すと
こうなりますね。2000+5-30=1975(L)が答えです。
以上が、「あまり覚えなくても解ける」単位換算の解き方です。いかがでしょうか、難しく感じましたか? 慣れるとパズル感覚で解けますので、覚えるのが苦手な方は是非試してみてください。
中学、高校では主に物理、化学といった教科で様々な単位が組み合わさった公式をよく利用します。特に理系を目指す方は、今のうちから単位の絡む問題を毛嫌いせず、むしろ「単位から与えられる情報を読み取る」気持ちで取り組んでいきましょう。
ユリウス烏丸教室スタッフ