天王寺教室

【スタッフのつぶやき】沸騰してるのに温度計が100℃にならない?!

先週行った実験のアフターリポートです。

写真のような実験装置を作りました。
①メスシリンダーで水を100cc測り、ビーカーに移す。
②ガラス温度計をスタンドで固定する。
③アルコールランプで加熱する。
④10℃単位で到達した時間を記録する。

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「何度まで上がるかな?」という問いに対しての答えは様々。

「200℃」「80℃」「2000℃!」「いやいやそんなに上がったら装置、溶けるから!」

理科が大好きな子は「水は100℃で沸騰して100℃以上にはならない」と期待どおりの回答。

「ほう。じゃあ100℃になるまで待ってみようか。ニヤリ」
ということでしばらく観察することに。

その間、加熱直後は一旦ビーカーが曇る、温度が上昇するにつれて小さな気泡が出てくる…等の様子を観察します。

順調に温度が上昇していきますが、90℃を超えたあたりでほとんど上昇しなくなりました。

ビーカーの中はぐらぐら激しく気泡が出て沸騰しているように見えます。

しかし温度計は93℃を指したまま。しばらく観察を続けても変化なしです。

このように理論値と実験値が違う場合は、「なぜ違うのか」を考えて意見を言ってもらうようにしていますが、今回は難しいので早めに解説しました。

まず沸騰するとそれ以上温度が上がらないことは正しい。実際、ずっと93℃のままでした。

温度計が100℃にならない主な原因は、温度計を液体の中に全部つけていないからです。
ガラス温度計は、中に赤く着色した液体(灯油)が入ってます。この液体が温度によって膨張・収縮することを利用するわけですが、液体全体の温度がすべて同じ温度になった時に正確に測れるように作られています。

実験装置を見てみると、温度計の先の部分しか水につかっていませんね。
温度計の液体の大部分が水から出ているので、その部分がまわりの空気によって冷やされて正確な温度を示していないのです。

その他にも、温度計の個体差や気圧などの原因も考えられます。つまり条件がそろわないと温度計が100℃を示すことは難しいのです。

実験には誤差がつきものです。そのため何度も同じ実験を繰り返す必要があります。
「教科書どおりにはなかなか上手く結果が出ない」ということも、この実験教室を通して体感してもらえればと思っています。

もちろんデジタル温度計を使えば100℃に近づきます。
え?なぜデジタルを使わないかですか?
やっぱり画面に数字が表示されるだけよりは、温度計の中の赤い液体がグングン上っていく方が楽しいからに決まってるじゃないですか!

天王寺教室の理科実験教室についてはこちらをご覧になってください。

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